太兵衛のアンニュイな生活
とかくこの世は『太兵衛に武兵衛(多勢に無勢)』、「越後屋、お主も悪(わる)よのぅ」なんて出来事ばかりで、嗚呼..アンニュイな日々を送りたい。

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民族主義と覇権主義

同根として残る暴力 ~グルジア紛争

 産主義が去って愛国主義だけが残ったロシアは、必ずしも西側諸国の一員でもない大国としてのプライドを生命線に昔も今も同じような発想の下にあるようだ。一方、共産主義の崩壊で主たる競争相手を失った西側の軍事担当者は、幸か不幸かロシアの軍事的な挑発を警戒するという失いかけた仕事に復帰できる機会を得つつあるように思われる。
やっかいなことに、すでに実質的にもイデオロギー的対立があるとはいえないロシアをどのようにしてみてゆけばよいのか。帝政ロシアも共産主義も、そして現在の資本主義下でも変わることのないロシアという国の『体質』は、国というあり方をめぐって「地政学的」な論争の絶えない日本の若手政治グループにとって我が道を往く憧れの存在とみえるのか、はたまた危険な信号としてみえているのだろうか。

 グルジア紛争は、冷戦時代の米ソ対決構造がそっくり再現されたかのような分かりやすい構図にみえるが、実際は典型的な現在の戦争でしかない。「バラ革命」で有名なグルジアはブッシュ大統領のお気に入り「民主化」国家であったが、それは強固な民族主義がなせる業でもあった。今回の出来事もまた、そうした冷戦後の紛争構図が背景にあるようにみえる。同胞を救うために南オセチアに武力介入するロシアも、昔の共産世界を守る内政干渉ではなく民族的な争いという背景に従う。
 元々ロシアにとってグルジアは西側世界に対抗するための防波堤でロシアの影響下から抜けて西側要員の一国になることを望まないのは事実だろう。

 欧州と中東に独自の影響力を築きたいロシアにとってはエネルギー資源という最大の切り札がある。書くまでもないが、グルジアは軍事的のみならずエネルギー搬送路の要衝でもあり、おりからの原油高・環境問題と重なって原油・ガスパイプラインというカネの問題も背景に見え隠れする。手っ取り早く金儲けをするには掘るより売る、そして影響力が強まれば好きなように売れることにもなる。さすがガスプロム大統領のすることはパフォーマンス仏大統領(※1)とは違い、実利的で狡猾な手腕をもって民族主義的な時代を切り開くようにみえる。

 強大な武力を温存しつつ資源という切り札を用いて欧州と中東世界に切り込むロシア、同じく強力な武力を持ち「民主主義」というルールを制して資本主義を一元化しようと批判される米国、そして勃興する民族主義と暴力の連鎖という恐怖の狭間で、いつの時代もどこの国でも振り回され犠牲となるのは一般国民でしかない。
振り返って日本をみれば、明治以来、列強の食い物にされるという危機意識が常に日本を一つにまとめてきたわけだが、その一方で民族主義的な高揚の中で大国の国益という魅惑に駆られて覇権国家を目指したこともある。大国ロシアの行状はそのような昔を懐かしむ者にいかに映るのだろうか。


※1 EU大国を自負し小国の意向などかわまず強行なサルコジ仏大統領に、EUから見捨てられる恐怖心をグルジアが抱くのも無理もない。



覇権漂流:第2部・資源をめぐる攻防/2 天然ガスパイプライン(その1) [毎日]
http://mainichi.jp/select/world/news/20080722ddm007030028000c.html
(資源はカネにもなるし外交・覇権の切り札にもなる)

天然ガス価格の大幅値上げでグルジア脅すロシア [JANJAN] 2006
http://www.news.janjan.jp/world/0611/0611094345/1.php
(グルジア政府の動き)

ロシアエナジー:解体の危機にあるガスプロム [中国情報局] 2008/08/06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0806&f=business_0806_006.shtml
(ロシアの寒い事情、資源はあるが手っ取り早く金儲けをしたい。本音はここに近いかも)

エネルギー・ハブを目指して 在トルコ大使館[中東ビジネスレポート]
http://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/middle%20east_economy_09_07_j.htm
(ロシア産原油、イスラエルにまで)



他:
グルジア親露派大物逮捕にチラつくCIAの影 [JANJAN] 2006
http://www.news.janjan.jp/world/0609/0609131139/1.php
ロシア-グルジア本格戦争突入 背景にちらつく米国の影 [JANJAN] 2008/08/11
http://www.news.janjan.jp/world/0808/0808104268/1.php
欧米世界に背を向けたロシア ドミトリ・トレーニン [Foreign Affairs Japan]:フォーリン・アフェアーズ日本語版2006年7月号
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200607/trenin.htm
ロシアの帝国的野心を封じ込めよ ユリア・ティモシェンコ ウクライナ元首相 [Foreign Affairs Japan]:フォーリン・アフェアーズ日本語版2007年5月号
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200705/tymoshenko.htm

グルジアへの米軍派遣表明、米露の対立激化へ 読売:8/14
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080814-OYT1T00125.htm?from=navr
グルジア領内の露軍、メドベージェフ大統領が撤退開始を表明 読売:8/17
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080817-OYT1T00530.htm?from=navr
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